常念岳 2857m 北アルプス (百名山)
2008年11月 2日(日曜日) 単独 歩行数 29579歩 自宅〜登山口往復走行距離 162k
自宅発(6:15)〜(高速道)〜一の沢駐車場(7:33)〜山ノ神(8:00)〜常念小屋(10:55/11:25)3時間22分休憩含む
小屋より山頂へ向う(11:27)〜途中下山(11:55)〜常念小屋(12:27) 1時間・休憩含む
常念小屋下山(13:00)〜一の沢登山口(15:45)2時間45分・休憩含む
しばらく雪雲に隠れていた北アがようやく顔を出したかと思ったら、輝くばかりの白さだった。
とうとう冬山の始まりだ。
快晴という今日、ここはやっぱり、真近でその白さを見たい。
危険度が少なくて、展望の良い山といえば
唐松岳・・・・いくら困ったときの神頼みの山でも行ったばっかだしな
爺ガ岳・・・・柏原新道は下りが足に応えるのよね。今の体調ではあの石畳登山道はちょっとやば
いかもなぁ
燕岳・・・・・・3連休で混みこみかぁ?
蝶ガ岳・・・・うん!あの稜線に槍のトンガリが見える瞬間って堪らないよな。
決まりだな!
まっ、簡単に決まっちゃうんでありますね。
今年は特に北ア北部を集中的に歩いていたせいか
ちょっぴり位置をずらしたくもあったのでありますが・・・・。
そういえば、本当に北ばっかりでした。
今年はなぜか北穂界隈にも行けなかったな・・・・・・残念。
しかし
単に,
交差点の信号を、何でかわからないけれど、反対の右に曲がっちゃったのよね。
ありゃ、と思ったときには常念岳登山口の、大きい看板が・・・・
まっ、いっか〜、奥穂やカールがちょっと左にずれるだけだし、ね。
真正面にバ〜ンの迫力っていうわけにはいかないかもしれないけれど、戻るのもあれだしな。。。
ってことで、そのまま、一の沢に向ったのでありました。
7:33 そんなこんなで、青空広がる一の沢の駐車場にやって来ました。 この時季にしては多いけれど、3連休にしては少ないな、なんて思っていたら なんと登山口までの林道に無断駐車している車がたくさんでしたよ。 う〜ん皆、登山道はいっぱい歩くくせに 林道は少しでも歩きたくないのねぇ。。。。 一瞬私も車を途中まで持ってこようかと、チラリと考えた。 もちろん戻るのも面倒なので、テクテク歩きましたが・・・ 前常念のとんがりがちょこんと見えます。 |
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赤葉,黄葉の落ち葉を踏みしめていくと、常念乗越もスカイブルーの青空の彼方に見える。 沢を登りつめていきます。 っていうかぁ、高度上がってんのかしらっていう感じの、ダラダラまたはのんびり登山道が続きます。 |
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おおっ、前常念が近づいてきました。 秋の雲もとってもいい感じ。 風もなく、夏と違って、汗がじんわりとした感じで体を温めてくれる。 |
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いよいよ雪が現れ始めた 日陰の沢は凍りついている。 |
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登るのにはアイゼンは不要だが、下るには絶対必要だよなと思いつつ、岩のゴロゴロした歩きにくい道を進む。 インナー1枚でも汗ばんできた。 4年前の記憶とはかなり違うなと思いながら・・・ まあね、記憶ほど不確かなものはないよな、と自分に言い聞かせながら・・・・・ (実際に、登山道は変わっていたのでありました・・・フム、記憶もたまには当たるのね・・・) |
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沢から高巻きに・・・ 胸突き八丁のはしご場の先にもスカイブルーの空。 |
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日陰の沢がなんとも淋しげでして・・・ でもまだ空はスカイブルーよ 早く、その先の世界を覗いてみたい! 槍から奥穂のあの山たちはどんな表情で迎えてくれるんだろうか。 |
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しかし、そう簡単には見せてくれないのよね。 雪がかなり深くなってきた。 これを楽しまなくちゃ、稜線には出られないのよね。 でも、疲れてきたぞ。。。 下山者の人は皆完全防備だ。 中には吹雪の中から帰還しましたっていう感じで、眼だけ出している人もいるしぃ・・・。 こっちはインナー1枚で汗ばんでいるというのに・・・。 この差が恐ろしいな。。。 突然こんな場所には似合わない嬌声が聞こえてきた。 スニーカーの女の子と男の子4人のグループだった。 そりゃ滑るワナ。。。 ザックも持たない若者たちの無謀さではあったが、しっかり冬ジャンを着ていたことは褒めてあげよう。 「気をつけてね〜」と見送るも、雪の急斜面ゆえしばらく嬌声は続いていた。。。。 あの若者たちは何を求めてこんな遠くまで踏み入ってきたんだろうか。。。。 無防備を非難するのは容易いけれど、山に来るっていうその動機を聞きたかったなぁ。。。 青春のなせる行動か? そんな、山には場違いな感じの若者たちだった。 |
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いよいよ、稜線だ。 とりあえず、フリースを羽織って予防策。 |
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この、瞬間がたまらないのよね。 ある意味この瞬間を楽しむためだけにやって来たようなものだ。 |
稜線に躍り出たとたんの、異次元にやって来たような息をのむような素晴らさ。
そして、本当に息をのむ様に吹き付ける強風。
これだ!これなのよね!私の見たかったのは!感じたかったのは!
風に体をよろつかせながらも、そこは踏ん張って
大地をしっかり再度踏みしめるのでありました。
そこには、冬山というにはまだ初々しい感じのすばらしい世界が広がっていた。
この光線かげん、ってことは日陰を登っていくのねぇ。。。 | |
反対の横通岳はお日様をいっぱい浴びて、イワイワの常念岳と対照的だ。 こっちのほうが気持ち良さそうだなぁ・・・・ でも、あの槍や奥穂の稜線がますます遠のきそうな感じがするなぁ・・・・ |
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強風に小屋に逃げ込む。 小屋の中はストーブでぬくぬくだった。 休憩室も無料で開放してくれている。 登山靴を脱ぐのが面倒なので、手前の棚で、ホットコーヒーを飲み一息入れる。 外は相変わらずの強風だ。 この暖かい空間から出たくないなぁ・・・・。 いかんいかん・・・・! ザックを預かってもらい、アイゼンを付け、完全防備でドアを開ける。 |
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岩の堆積した登山道はとっても歩きにくい。 吹き溜まりになって、雪の深いところもあれば、岩がむき出しになっているところもある。 アイゼンがガリガリと岩を噛む。 |
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強風が攻め続ける。 ジグザグに登るってことは 風に向き合ったり、風に背を向けたりの繰り返しなんだけれど、 向き合うと、体が前に進まない。背を向ければ、押されて体が自分の歩こうとするラインからぶれてしまう。 |
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瞬く間に、青空も消えてしまった。 先を目指す男性も何人かいたけれど、山頂までまだかなり稜線歩きが続く。 こんなところで吹き飛ばされて滑落したら・・・・。 やっめた! |
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風で雪が吹き飛ばされ、 岩が露出した登山道からはるか下に小屋を見下ろす。 下りはより慎重にだな。 |
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しゃくにさわることに 横通岳が ほ〜ら、だからこっちにくれば良かったのにと言っているような、のどかさで正面にのほほんと見えることだった。 |
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吹き溜まりの先の槍も雲に隠れんとしている。 再び小屋に逃げ込み、今度は登山靴も脱いで、まったりとスープとおにぎりのランチタイム。 |
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13:00 下山するべく小屋を出ると 風は止み、再び青空が戻っていた。 外ではラーメンをすすっているグループもいたりなんかしちゃって。 まっ、こんなもんでしょ、人生は。 |
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風に翻弄されたな | |
それでも、なぜか満足して稜線を後にするのでありました。 | |
稜線を一歩降りると、そこにはまた、風のない穏やかな晩秋の世界だった。 | |
こんなところもあったり・・・ | |
朝の透明感は薄れ、穏やかな陽が山肌にあたっている。 | |
でも、沢の日暮れは早い 淋しげな景色の中、アイゼンを付け足場の悪い道はなかなかはかどらない。 |
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最後に沢の水でアイゼンを洗う | |
15:28 登山口には一人の男性が、登山靴の土を払っているだけだった。 |
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駐車場に向う林道の脇の紅葉も陽が当たらないと、なぜか物悲しく感じられる。 |