北岳 3192.4m ・間ノ岳3189.3m ・農鳥岳3025.9  南アルプス 

2009年8月14〜16日    単独   

自宅発13日19:40〜奈良田駐車場23:30 前夜泊

 8月14日 はこちらです

奈良田より広河原行きバス(5:30)〜広河原(6:35)〜二俣(8:57/9:10)〜北岳肩の小屋(11:50/12:14)〜北岳山頂(12:55/13:10)〜北岳山山荘テントテント場(14:16)
7時間40分休憩含む

 8月15日
北岳山荘テン場発(5:10)〜間ノ岳(7:30)〜農鳥小屋(9:00)〜農鳥岳山頂(11:00)大門沢小屋(14:15)9時間5分休憩含む

 8月16日はこちらです

大門沢テント場発(7:00)〜奈良田駐車場着(10:15)3時間15分休憩含む
〜温泉〜自宅着(15:10)


8月15日


きょうの行程は長い。
CTで7時間20分だが、3000m級の稜線の縦走だ,そう安々とは行かせてくれないだろう。
ある意味、今日は核心部でもある。。。
間ノ岳 3189mを越え、また下り、そしてぐっと登り上げ、農鳥岳 3025m 
そして一気に大門沢小屋の1700mまでググッと下るのだから・・・
考えただけで、めまいがしそうになる・・・・。

5:00
山で迎える日の出は、平地で迎えるのとは一味違い、なぜか神妙な気持ちになる。

あれ、なんか、下から太陽が昇ってくるような・・・・
雲海の間から昇ってきた。
う〜ん、さすがに北岳だけあって、日の出も違うのね(笑)


実はこれかなりのカルチャーショック・・
水平線から昇るもんとばかり思っていたからね
山で一夜を明かし、
朝の始まりを感じられるっていうのは本当に幸福なことだとつくづく思う一瞬です。
雲海の先っぽが、すぐ近くの山肌を撫で回す。
ダイナミックです。
テン場にも朝がやって来た。
昨日はガスに包まれていた北岳も瀟洒な姿でお目見えだ。

さすがに、この標高ではぶるぶるな位寒い。
昨夜はかなり風が強かった。
テント全開で寝たため、夜中に、きっちり閉め、寝なおした。

モルゲンロードに染まる間ノ岳
テン場から振り返れば、朝日あたる山小屋では、朝食アナウンスも忘れ、山の朝に酔いしれる人々。
気持ちは皆いっしょなのね。
雲海渦巻く先には富士山がひょっこり。
5:30
朝露にすっかり重量を増したテントを背負い、まだ冷気の残る中を出発。
中白根山から間ノ岳


中白根山までは広いゆったりな登山道歩き。。。
一足お先にといって、出発したのに、瞬く間に隣のテント親子に抜かれてしまった。
前を行く、おじ様6人パーテイが、「急ぎますか?」

そう聞かれると、、、
正直者の私はついつい
「いえ・・・、、、、別にそう急いでいるわけじゃ,けしてないですわ。。」
「どこまで?」
「はい大門沢小屋までですぅ・・

「それじゃ同じだね、別に急いでいかなくても、、、、後を付いてくれば、ちゃんと着くから、、、」

まあ、たしかにね、これだけのローペースで歩けば、疲れないよね・・・。
私も、おじ様くらいの歳まで、こんなに元気に山を歩けたらいいよな。。。
とは思うものの、、、まだ私は若いんである(あくまで主観ですが)しっかり抜かさせていただきました。
そんな私をすばやく抜き去っていった若者パーティ。。

なんかレトロっぽい感じですよ。

隣のテント氏提供
「がんばっていくぞ〜」
「おお〜」
おお〜の声にいまいち迫力が無いのが、なんか正直で微笑ましい。
底が真っ黒になったデカ鍋にデカザック、そしてこのいでたちが中アをバックにそこはかとないユーモアとのどかさを感じさせる。
ごめんなさいね、皆さんがんばるぞ〜ってときに。

それにしても、真ん中の青年、もうばてちゃったのかしらね。
顎が出ているわよ・・・・

隣のテント氏提供
ギャラリーが多すぎ?
恥かみながらのラジオ体操は、うふふな感じでした。
その後、掛け声は塩見岳の方にそれていった。
7:30
間ノ岳山頂
直前
雷鳥が遊んでました〜。
じゃなくて・・・

あっ、あー!アー!


カメラが、カメラが私の手を離れ岩角に激突してしまった!

オン状態だったので、ズームレンズが斜めになったきり、オフにしても、中に引っ込まない。
。。。
山頂で焦りまくりな私。
眺望を楽しんでいた隣のテント氏に見てもらうが・・・・。カメラは絶望的だった。
山旅は佳境に入ったばかり、、、、
コーヒーの無い山歩き、その上の、カメラの無い山歩きはかなりなダメージ連打だ。

そこで、あつかましくも、隣のテント氏に写真を送ってくれないかとお願いする。
快く引き受けてくださり、、、
「予備のデジカメ持っているので、使ってください」との暖かい言葉。
いやいや、それまで落としちゃったら大変なので・・・
隣にテントを張っただけの縁を頼りの私のあつかましさに、この優しさ。
本当にありがたいことです。うれしかったわぁ。。。



どっしりな仙丈ガ岳が存在感をアピール

隣のテント氏提供   私のカメラでは捕らえる事ができなかったが、北ア槍ガ岳展望

もうチョッピリ高度を上げるとギザギザな鋸岳を従えた甲斐駒様

隣のテント氏提供   中央アルプスが真正面、、あそこから南アを眺めたのはつい最近だったのね、そう、あそこで密かな決断!          

隣のテント氏提供                                      北岳と甲斐駒、溜息もんですね。

   隣のテント氏提供                                                          

山座同定が出来なく、 隣のテント氏に教えてもらう・・ 
彼は20年ぶりのこの景色とのこと。。。
大事な家族を紹介するような温かみのある言葉だった。

右手前が、あの、あの塩見岳 奥が荒川岳・赤石岳
・・・・
どれもこれも3000m級の山が勢ぞろいだ。。 
しかも、なんであんなにみんなどっしりと大きいんだろう。
 

間ノ岳山頂は広々として、開放感あふれる山頂でして展望を楽しむにはもってこいね。
北岳周辺は虫がすごかったが、なぜかこっちにはいませんでした、不思議
。                    

えっと、ここからの写真は全て隣のテント氏のご好意によるものです
男と女の山の捕らえ方の違い、感性の違いをとっても楽しむ事ができました。
ある意味では、カメラが壊れた事に感謝かもですよ。

こんなダイナミックな構図ってすごいです!
そして、間ノ岳から降る私もありでしたん。。。
振り返ると、山頂のおおらかさと瓦礫のギャップがこれまた良かったんでありますが・・・

しかし、どうみたって、鼠色でガレキと一体化ですわ。。

ってことには関係なくどんどん高度を下げて行きます。
ザレていて、歩きにくい。

農鳥小屋を俯瞰。


       
グングン降ると、後はまた気持ちの良い歩きで、、、、
その後のちょっとの登り返しがけっこう応える。

9:00小屋到着。
ここで、休憩。
ここの小家主はたまた管理人さんと思われる方は、なかなかのお人
草地をちょっとでも踏む登山者がいると
「だめだめ、そこはほら、道じゃないんだから・・・もう!」
「その1歩が自然を壊しちゃうんだから・・・壊れたら、元に戻るの大変なんだから・・・」


傍から眺めると、
それでも、登山道から稜線に出るには、一番の近道だし・・・・・
後から、何人かの登山者が同じところを通ろうとするたびに、同じ言葉を繰り返していた。。。。。
そのたびに、登山者の人たちは、おののきながら、爪先だって、ひょいひょいと、草を踏むまいと必死ね。
そう、それは登山者から見れば、あの、華麗な高山の色艶やかな花ではなく、単なる草だったのかもしれない。
それが清楚なチングルマや艶やかなタカネシオガマだったら誰も踏もうとはしないだろう。
ここが、重大な違いなのね〜。
今でも心にずっしりくる言葉でした。
で、、、
「今日は夕立がくるかもしれないな・・・」
の言葉に、あら、大変。

でも、ここから見上げる西農鳥岳は気の遠くなるほど天高く眼の前にそびえたって、、、
でして、できれば見たくない。
過去の山行きを思い出す。。。。
五竜を目指しているときの、白岳もそんな感じだったなぁ・・・
白馬鑓から降った天狗の大下り、これを逆に登り返すみたいだ(下るのみで登った事はありませんがね)
それでも、必ず、たどり着くことは出来る。

こんな時は、先を見ずに、一歩一歩、、が大切なのよね。
一歩の力は大きいぞ!と自分に言い聞かせる。
それでも、すぐ息があがる。足が、鉛のように鈍い。
ザックが体に覆いかぶさるように重い。
でも、一歩だぞ・・・と新たに自分に言い聞かせる

そんなときに、爽やかに歩いていく女の方がいた。。。
信じられん!
後からはのんびりな感じでカメラを方々に構えるだんな様らしきお方。
う〜ん、やっぱり3000m級の山は身軽に限るのか・・・・
だんな様の
一歩、一歩 歩いていれば必ずたどり着けますから」

こういう何気ない言葉が大きな励ましとなって力を得る事ができる
昨日の北岳登山道で、同じ場所で休憩したご夫婦でした。

西農鳥岳からの登山道は岩場歩きとなるが、快適だ。
登山道からはずれ、大きな岩にザックを下ろし、休憩タイム。
昨日から、休憩のたびにエネルギー温存のためという名目のもと
こまめに甘いものを口に放り込んでいるためかわからないが、食欲がいまいち・・・。
こんな時はおいしいコーヒーが飲みたいな。。

11:00 農鳥岳 3025m
ガスがやってきて、残念ながら展望なし。
だんな様に撮影していただく♪
ありがとうございました。
実は西農鳥岳のほうが25mほど高いのよね。
ゆったり休んでいると、昨日北岳の登りでバテバテだった男性もやって来た。やあやあ今日は元気そうですよ、よかったわ。
そして、顔をしっかりガードして,そのいでたちはお忍び?とも思われる程の過剰日焼けが恐いわ男性のリクエストにシャッターを切っている間に、ガスがどんどん濃くなり、いつの間にか、皆居なくなっていた。
山頂独占状態の喜びはあるものの、農鳥小屋の人の
夕立の言葉を思い出し、私もそそくさと山頂を後にする。

大門沢下降点
ガイドマップでは標識となっていたが、遭難碑だったんですね。
さあて、ここから一気に下ります。
その道は、、、、
過去の山歩きの中でもトップクラスの悪路だった!!!

14:15
ウンザリするような悪路の連続に、まだかまだかと思っていた小屋にようやくたどり着く。
ここの水はとっても冷たくおいしい。
眼の前には、溢れ出る水にビールが冷たく冷やされている♪


まずは、やっぱりビールだな、ウン!
ここのテン場はけっこう狭い。
後から、後からけっこうやって来る。。下山の時に初めて気がついたが、小屋の裏の林の中にもぽちぽちとテン場ありでした。
夕方より雨が降り出し、雨脚は強くなっていった。
南アの小屋はこんな感じのところが多いのかな。。。
ある意味歴史を感じさせる雰囲気だね。
しかし、温水シャワー室があるのは豪華♪
しかし、トイレは・・・!
久しぶりに、トイレオバケが出そうな・・・
だめだ、限界だ。
9時過ぎ、意を決して、雨の中テントから這い出す。
勇気が必要よ。


16日につづく

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